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「あのゲスどものR18だけは読みたくなかったが…」
→→→「やむをえん…」

































愛を孕まない子宮


 まな板の上に置かれた魚のようだった。それでも、そんなふうに見えるというだけで、実際にはそこは手術台の上だ。手首を繋がれ、裸のまま大きく足を開いた状態でその板の上に拘束された女に、抵抗する様子は無い。だからといって諦めと絶望の色をした仄暗い瞳を見せるわけでも、あられもない体勢に羞恥の表情を浮かべるわけでもなかった。女は、自分を見下ろす男へ、媚びるような視線を向けて、男から与えられる「何か」を待っていた。

「…チョコ、ラータ…せんせい、あの…あのあの…ッ」

 女が言葉を紡げばその分、みるみる息が荒くなり、興奮が増すように肩まで上下する。チョコラータ先生、と大層な名前で呼ばれた男は、なるほど、腕の良い医師を思わせるような慣れた様子で、手術用のゴム手袋をきっちりと手にはめた。ますます期待するように女の呼吸が速くなる。浅ましい呼吸音はまるで盛りのついた犬のようだ。いいや犬のほうが利口かもしれない。わざとらしく大きな溜息を吐き、チョコラータは女に言った。

「"待て"すら満足にできないからな、おまえは。なんだ?早く餌が欲しくて涎が止まらないか?」
「ひッ、あぁ!」
「こんなにベチャベチャと汚くしてまったく」

 医者と患者の会話とは思えない罵り文句を並べながら、女の大きく広げた足の間に顔を埋め、手袋をした指で乱暴に秘部を擦り上げた。女の脚ががくがくと震える。これから与えられる刺激への期待だけで、女のそこはしっとりと濡れていて、チョコラータが適当に弄れば、あっという間に卑猥な水音を立てた。ただ指で掻き回しただけでこれだ。手袋越しに指先を濡らす愛液に、チョコラータは眉を寄せた。
 ああまったく、いつからコレはこんな体になってしまったのだろう。最初はいくら撫でようがちっとも濡れなくて、そのまったく慣らさない中にアレを突っ込んでやるのが"よかった"のに。あの時の絶叫に近い悲鳴といったら、それはもう。

「あっ…ン、ん…ッあっあ!」

 それが今や、この悦びようだ。意図的かどうかは知らないが、女の口から零れるのは男を昂らせようと誘うような嬌声。だが自分にとってはそんな声よりよっぽど以前の耳を劈く悲鳴のほうが魅力的だった。チョコラータはフンと女の痴態を鼻で笑って指を引き抜くと、手近にあった注射器の一つを手に取った。鋭い針は刺さっていない、医療用というより実験用のようなその器具のシリンジは、白く濁った色をしている。女はチョコラータの手にある"それ"を見た途端、狂ったように歓喜の声を上げた。

「はあ、ああ!あぁっ!…はぁ…ッ…あ、あ…せんせい、それ、はやく、はやくぅ!」
「わかったわかった!そんなに欲しいならくれてやる!大人しくもっとよく股を開いてみせろ」

 こくこくと首が取れる勢いで頷いて、女は拘束器具によって無理矢理に開かされていた脚を、自らもっと裂けるぐらいに開き、少しでも「早く」と、腰を浮かせた。口をぱっくりとあけて待っているソコがひくひくないている。栓をされたがるように。あるいは、喉が渇いて仕方なくて、潤す何かを注がれるのを待っている。

「毎回おまえがもっともっととうるさいもんだから、今日は特別濃いのを採ってきてやったんだ」
「ッ! は、あぁ…っうれしい、ですう…!!」
「嬉しいか?そうか、そんなに嬉しいか」
「はい!うれしい!うれしい!…ッだから…ぁ、はやく…はやく!」

 針のない注射器の先端が、そこに押し当てられる。濡らされていた秘部はすんなりとその異物の侵入を受け入れた。

「ア、っく…奥、に…ぃ」

 細長い器具が、あっという間にずぶずぶと奥へ飲み込まれていく。そして狙った通りの地点へ先端が届いたのを見計らって、チョコラータはその筒の中の液体を、ゆっくりと女の体内に注入していく。肌を重ねるわけでもなく、繋がるわけでもなく。動物的に、快楽のままに、本能のままに、男という生き物によって中へ射精されるのとは違う。とぷり、とぷり、とゆっくり自分の子宮の中に入ってくる。そこを満たしていく感覚。背徳感、何かに対する罪悪感もある。

「あ…ぁ、はいって、くる…中に…あ、っあ…ぁ」
「ああ、入ってるぞ。おまえの中に。まだまだ数はある。ここにたっぷり注いでやろう」
「ン、ふ…ふっ、ぅ…ああ…なかぁ…」

 注射器を突き入れたまま、チョコラータの手が女の臍の下あたりをぞっとするほど優しく撫でた。女はぞくぞくと体を震わせる。熱に浮かされたような目を細めて、自分の足の間にいる男を眺めた。せんせい、とたどたどしく口を動かす。その間にも、注射器の中身が空になるまで注入は続けられる。溢れて入り口にぶくりと泡が立っても。せんせい、せんせい、と意味のない喘ぎに混じってその名前が呼ばれる。チョコラータは空になった注射器を抜くこともせずに、指で無理やり押し広げたそこへ、次の注射器を押し入れる。

「ああぁ!っは、ア……ッせんせぇ…」

 もちろん最初からこんな行為を受け入れたわけではない。初めて手術台の上で拘束された状態で目が覚めた日、血に濡れたメスや注射器やハサミが視界に入り、恐怖と絶望しか女の胸にはなかった。自分は彼の猟奇性のおもむくままに殺されるのだろうか、それとも男という生き物の性にのっとり欲望のままに犯されるのだろうか。そのどちらか。けれど正解は、どちらでもなかった。どちらかであった方がまだマシだったのかもしれない。女の精神は、チョコラータのまるで実験動物にするような歪んだ弄り方で、じわじわと、ゆうっくりと狂っていった。チョコラータから与えられる背徳的な刺激をいきすぎた快感と錯覚するくらいに。

「…はっ…は、…ぁ…せんせ、すき…好き…もっと…せんせい、の…」

 自分をおかしくした男に向ける感情を、愛情と思い込むくらいには狂っていった。

「好き、だと?以前はあんなに泣いて嫌がっていたものを…まったく」
「んっ…、ふぅ…う」
「どこの誰とも知らない男の精液で腹いっぱいになるのがそんなに嬉しいか?おまえは。ん?」

 こぷり、どぷり。みるみる自分の中身を塗り替えるように異質なものが注がれる音。何か泥のようなものに足をとられる音に似ている。恍惚としていた女の顔が、色を変えた。

「……え…?」
「ん?…なんだ、その顔は」
「…なん、で…だって……先生、の…じゃ、」

 蒼白。かたかたと震えて、口をぱくぱくと動かし、白目を剥きそうなほどの顔色。チョコラータがそんな女の様子に目を瞠る。ああ、そうだそれは、彼の好んだその表情は―――…「絶望」の表情そのもの!―――思わずニタリ、と下卑た笑みがチョコラータの口元に浮かぶ。女の股座に先端を挿入されたまま突き出ていた数本の注射器をガッと片手でまとめて掴むと、力任せにぐぐぐと奥へ押し込んだ。痛みに女の悲鳴が上がる。
 ああ、これだ、その声が聞きたかった!その表情が見たかった!

「いっ!痛いッ、ひ、ぃい!!いや!!いやぁ!抜いてぇ!!」
「そうかそうか!わたしのものだと思っていたのか!はははは!!」
「あぐっ、う、ぅ!抜いてッ抜いてよぉ…ッ!」
「まさかおまえがッ!そんないやしい勘違いをしているとは、なッ!」

 中の奥の奥に届こうとも押し込むのをやめずに、突き入れた注射器でぐちゃぐちゃと膣内を掻き回すように乱暴に動かした。汚い体液が入り口から溢れて垂れている。手袋をしていてよかった、とチョコラータは思う。汚れなくて済む。女はチョコラータの肌を知ることすらない。ゴムの手袋に阻まれた向こう側の血の冷たさも知らなかった。欲望の熱を、今まで一度だって知ることはなかった。
 いやだ、こわれる、たすけて、こわれちゃう。半狂乱になった女の叫び声が手術室に響いた。チョコラータの指が彼女の腹を撫でる。「おまえはもうとっくに壊れているんだよ、とっくに」